2005年09月16日

瓦屋根は平屋が原点

瓦屋根のデザインを考えるときにいつも思うのは、平屋にならないかということです。
もちろん建築主の意志を無視するわけではないのですが、瓦の美しさをいちばん引き出せるのは、どうしても富士山のようになだらかで柔らかな曲線が、中途半端な垂直ラインが入らない状態で、地面に消えてゆくように見えることです。

プランの関係で平面的な凹凸が出てくるようでしたら、山並みが重なるようなイメージを描きつつマトメを試みます。(参考デザイン:K邸
ただ多くの場合は敷地の制約から2階建てになりがちでいつも残念賞です。

ところが思い入れは消えることが無く、2階建てになってもやはり平屋の残像が残るような姿になっていることが多いようです。(参考デザイン:T邸

それが証拠によくこんなことを人に言われます。
ご案内して現地を離れてから「あれ、今の家は2階建てでしたっけ」と・・・・

瓦デザインのコンペでは、かなり媚びたデザインや目立つ物件の話題性が優位を占めるようですが(瓦の宣伝ですから当然かも)本来はその美しさを引き出せる使い方を賞賛してほしいものです。

2階建てでも、その美しさを引き出す秘策があります。
・・・・・・それはヒロシの秘密です。(冗談ではなくあるんです)

2005年09月14日

デザインが良いからとそのまま自分の敷地に持ってきても無理

テレビ組や雑誌で見て気に入ったデザインを採用したいと、そのまま強引に(ご本人は強引と考えてみえない)ご自分の敷地に当てはめてみようとされる方は、多くいらっしゃると思います。
何も考える手だてのない状態からのスタートですから当然の行為ですが、設計者という立場から見ると、そのまま計画の進行されて終わってしまえば、かなりもったいなくて悲劇的状態でしょう。

いわゆる間取りという使い勝手ばかりが優先されており、自然の条件、特に季節ごとの風向や日差しの具合、などの立地条件が生かされていなかったりすると、金銭的にも初期の建設費ばかりの節約だけに終わっておりもったいない話です。

わかりやすい例では、小生の家は建ってから20年経過しますが、夏にエアコンを使用したのは数年も無いのではないでしょうか。(エアコンは一応設置されていますよ)
仮に15年間使用していないとすれば、その間の電気代は「得しちゃった」ですよね。
これはごく単純に風の通りが良いプランになっているからに他なりません。

ただし、これには地方性がありますが、小生はここで公開されているアメダスのデータを使用させて頂いたりして、立体的に風の季節ごとの入り口出口、取り入れ方向などや日照の時間や方向を検討項目に入れています。

こんな中から生まれたのがこの住まいです。

2005年09月13日

建物に風を入れよう

以前、自立環境型住宅にて紹介をさせて頂いたことに関連性のあるお話しです。

構造の耐震性という観点からは、建物の平面形が整形であることを重要視していますが、夏の涼しい風を取り込むには、長方形のような平面的に安定したプランというだけではなく、ある程度の凸凹を取り入れることを考えに入れなければなりません。
古くは「曲がり屋」などはよく知られた工夫ですが、たとえば東面にウイング状の壁を取り付けたり、片開きの窓を風の向きを考慮しつつ配置したりといった具合です。
また、古くより専門家の研究対象ととなってきた分野なのですが、残念なことにスポットライトの当たることもなかったようです。
小生も関連図書を探してみたのですが、見あたらなかった時期が永く続きました。

「風を感じるオール電化」では、これらの工夫は耐震性を阻害するほどのことはなく取り入れることが出来ています。

工事費のかからない、何でもない簡単な工夫からはじめることが本来の省エネ対策ではないかと思います。

2005年09月11日

屋根と台風・その2

毎年、ここのところ台風の性質が変わりつつあるのを感じているのは小生だけではないでしょう。
台風が強大化しており、例年のごとく大きな被害を国土にもたらしていきます。

地球の温暖化により海水の対流や空気の対流が激しくなった自明の理だと科学者は説明してくれますが、指をくわえてみていても仕方がありません。

屋根の材料には瓦を、というのがこの地方(岐阜県)ではひとつのステイタスになっています。
確かに古来より瓦屋根は日本の原風景には欠かせないものの一つですが、この気象の変化を目の当たりにすると、考え直してみないといけないのでは無いでしょうか。

耐震性を高めるのに建物の重心を低くするという方法があります。
また風圧を受けた際に飛散の可能性を低くする必要があります。
省エネルギーの観点からも屋根に当たる太陽光を跳ね返す必要もあります。
これらを満足させるために、フッ素樹脂鋼板の加工品を使用するという判断も取り入れるようにしています。

今年7月に完成したこの住宅はそんな思いを込めて金属板(フッ素樹脂鋼板)の屋根としました。

2005年08月31日

家族の意志を集約した家創りをしたい

家族の意志を集約して尚かつ時代にマッチした間違いのない家創りをしたいとお考えの方はたくさんいらっしゃると思います。
理想と夢はたくさん語れても現実問題としてそれらを最大限実現に近づけるには、どんな道を辿ればいいのやら?
ハードルがたくさんありすぎて困り果てておられた方もいらっしゃいました。

そんな煩わしさは避けたいとハウスメーカーに任せたらとんでもない手抜き工事だったり、信頼している工務店さんに任せたら工事はシッカリしていたが希望と大きく外れてしまっていたりします。

予算作りという作業ひとつとっても、工務店のそれと設計事務所のそれとはその性質が大きく違います。
仮に文字面がまったく同じだったとしても、工務店の予算書は交渉材料のひとつであり、設計事務所の予算書は道しるべなのです。

だからいつも「あまり気負いせずに眺めてください」と言いながら見せています。
このあたりが象徴的な相違です。

そして、家族会議には小生も加えてもらっています。
建築の専門家だからと100パーセント任せられても困るからです。
ご家族の意見を図面という言語で書き換えてゆくための通訳がそばにいると思ってください。

こんな一問一答集も参考にしてください。

2005年08月30日

自立環境型住宅・その2

昨日に続いて自立環境型住宅の概要をさらに整理してみました。
この建物は以下の要素技術の一部を活用しています。)

自然エネルギー活用技術として、自然風の利用、昼光の利用、太陽光発電、日射熱の利用、太陽熱給湯、建物外皮の熱遮断技術として、断熱外皮計画、日射遮蔽手法、省エネルギー設備技術として、暖冷房設備計画、換気設備計画、給湯設備計画、照明設備計画、高効率家電機器の導入、水と生ゴミの処理と効率利用、以上を指針の要素となる技術としています。

それらの要素技術の組み合わせによって、冷房、暖房、照明、電力、給湯、水などがどの程度削減できるかを、指針では具体例を示してくれているようです。

(実は以下の詳細は10月の講習にて明確になります。)

2005年08月29日

自立環境型住宅

建築環境・省エネルギー機構では省エネルギーに関する種々の取り組みをしていますが、最近、「自立環境型住宅」の設計指針というガイドラインをだしています。
常々実践している自然風の利用方法に何か手引きになる参考文献はないものかと探していた矢先にこんな情報があるのを知り嬉しい思いです。
また世の中の全体的傾向もそちらへ向いているのを再確認できたように思います。

自然風の利用法を立地条件により郊外型から都市部、またその中間部の分けて一定の指針を与えています。

また、日射の遮蔽技術においても、普段利用する庇に関する利用法を整理しています。

2005年08月27日

光の入り方・・・窓の扱い

「部屋は明るくしてください」という要求が多くあります。
明るいという感覚は、温度に対する感覚と共通点があり室内に明るい部分とくらい部分、寒い部分と寒くない部分が混在していると特に体感がはっきりしてくるようです。

当然といえば当然です、特に寒さ対策は室内の温度差を無くすことによりかなり快適な状態を作れることは誰でも知っている定石で、どんなプランの住宅でも壁や屋根、開口部の性能をコントロールすれば一定のレベルは確保できますが、明るさは体感的にも個人差が計りきれずに苦労することがあります。

明るさにメリハリをつける意味で、朝に明るい日差しが差し込む窓、陽の高くなった昼間には、暑さを持ち込まない窓、夜は必要に応じて明るい部分とそうでない部分の使い分けを雰囲気作りと掛け合わせて考えるなどの工夫でかなり解決するようです。

これらは人間の感覚が許容できる一定の幅をもって環境に順応するという能力のお陰です。

とりわけ精神衛生的にも朝に明るい日差しを持ち込むことを考えに入れる暮らし向きは、お奨めします。

2005年08月23日

サヤに納める

「元のサヤに納まる」なんて言います。
言葉の意味合いは意味深なものを感じてしまいますが、大事なものをサヤに入れておくという、こんなに簡単なことを建築の設備の世界、特に給排水の工事では常識とは捉えていなかったのです。
サヤ管工法と呼んでいます。
中の配管の取り替えがうまくいくように差し替える通路を最初から作ってしまうのです。
現場では、人間ドックのお世話になっているメンバーも多く、胃カメラといって冗談の種にしています。

作ったものは、一定の時期がきたら壊してしまうというスクラップアンドビルトという言葉も懐かしさに変わってきています。
資源のリサイクルが合い言葉になってしまった社会になって、初めて最も劣化の目立つ設備関係なのに「じゃーそうしようか」なんて言い出したサヤ管工法。

あまりに気がつくのが遅いよね。このあたりはドイツ人に負けているといつも感じてい
ます。

残念!!!!!サヤ管斬り

2005年08月21日

金物見参!

金物見参!とでも言いたげな存在、「いざ鎌倉!」とばかりに「この建物をお守り申し候」とこちらを向いて宣言されているようにも感じます。
従来からその必要性を叫ばれていましたが、阪神の震災から以降は一気にその使用が常識化して、伝統工法を周到している大工棟梁を押し黙らせてしまった観さえあります。

使用することの是非は、地震の発生を毎日のように報じる今となっては問えない状況にもなりつつありますが、それにしても「木が可愛そう」と言いたいのが正直なところです。

伝統的な木造の工法でも十分な耐震性が確保できれば金物の手伝いなど頼らずとも良かったのですが、日本人はその良さを忘れ去り振り返ることを怠り、金物の速効性にのみエールを送っているように見えてしまいます。

現金な国民性までも垣間見えてしまいます。
「お前は戦争を知らんから、がむしゃらに働かなければならなかった日本人のおかれた状況を知らんから、そんなノンキなことにかまってられたか」とお叱りも聞こえてきそうな気もしますが。

ともかくもこの金物のお助けマンに頼れば、耐震性を確保出来るのは、最近の多くの検証で実証されています。
ジレンマに陥ることなく、デザインさせて頂きます。合掌

2005年08月20日

ロフトの役目

ロフトは、物置と思っている方が多いのではないでしょうか?
英和辞典には以下のように出ています。・・・・・
━━ n., vt. ロフト ((倉庫・工場の上層階で,アトリエ・スタジオなどに利用)); 屋根裏(にしまう,たくわえる); 干草置場; (教会・講堂などの)階廊, 桟敷(さじき); 【ゴルフ・クリケット】高打ち(する).・・・・・

やはり主役には思えない内容ですね。

ここにも出ているようにロフトは屋根裏の部分を指しているようですが、室内の環境的には、ここに夏には熱気が集まってきます。また冬には暖気が集まってくることもあります。
すなわち、他の部分とは温度差ができるからこそ、環境劣悪で従来はのけ者だったのでしょうね。空間の形も三角だったり斜めだったりしますから尚更ですね。

ところがこの空間は「男の子の隠れ家の夢」をくすぐる空間であることを思うと多くの使い方が浮かんできます。

そして何よりも、工夫さえすれば温度差による風の動きを誘導する場所でもあります。
建物全体の環境をコントロールできる要素もあるのです。

そしてもう一つ、そんな工夫は世界中の伝統的建物にも見られる工夫でもあります。

2005年08月19日

デザイン・寛的・その3

建築設計の専門家の作品や仕事は、デザイン性が強いというのが一般的印象ではないでしょうか、たとえば「変わったデザイン」という言葉でひとくくりになっているようにも普段から感じています。

「変わった」という言葉は、そう発したことで自分には関係のない分野であることを伝えたい意味も含まれているのでしょうが、生業としているものにとっては、その程度の守備範囲では設計事務所経営者の生活は成り立ちません。
(なんかいきなり現実的なことばが出てしまいましたね)

いつも「デザインには理由をつける」という作業をすることにしています。
感覚に頼ってゆく部分は、もちろんありますが、理由を探すことによって中身のある設計に変身してゆくことになるでしょう。

つまり、まずデザインありきとスタートしますが、その形を創る理由、根拠、そしてデザインの意味も拡大解釈を試みたりと、考えを展開してゆくことが必要と思います。

理屈っぽいかもしれませんが、自分なりの新しい発想は、そんな苦し紛れの中から生まれてゆくものだと信じています。
デザインのスタートは感性と苦かもしれません。

2005年08月18日

野地板は野にあらず

建築の現場用語に「野」と「化粧」という言葉を使うことがあります。

「化粧」は化粧柱、化粧材、化粧板など、完成段階では表に見えてくる材料、「野」は野地、野もの、といった具合に主に下地となる隠れる部分で仕上げをしない部材を指したりします。
野地板は屋根の防水材の下に張る板材のことで、伝統工法ではヒノキや杉の板を勾配方向に張られてあるのを見た方もたくさんおられることでしょう。

「捨て」という言葉もよく使いますが、床下の捨て張りなどもバリヤフリーには欠かせない工程になってきております。

これらの屋根の野地板や床の捨て張り板が、今となっては一躍スターダムに(木造の構造の世界では、)のし上がってきました。

何故かと言えば、垂直方向の耐震壁ばかり丈夫にしても、水平方向の床や屋根を丈夫にしないと地震力は伝わらないからです。
専門家でなくても想像つきますよね?箱の横面があって上面がなければ壊れるに決まってますでしょ?

もちろん伝統工法でもそれらの部材を「野」とネーミングしてきた事情は歴史的にも工法的にもはっきりしておりますが、現代の木造ではこの「野」の一文字は下地となる捨て材ではなく、隠れた力持ちとして解釈し、釘やビスの数、打ち込むピッチ、使用する工具まで見守って丁寧に作業してやる必要の出てきた主役のひとりです。

2005年08月17日

エアバリヤーって何?その2

エアバリヤーの考え方については以前紹介しましたよね。
この考え方を知る前は、南雄三さんの本をしきりに読んでいました。
断熱・気密・換気についての解釈を丁寧に解りやすく書かれていますので、興味のある方は是非読んでみてください。
もし、あなたが住宅の設計者であろうとなかろうと読みやすくて参考になること請け合いです。

エアバリヤー(気密)に関する考え方を知るには、英語を読めなければ学問的には100パーセント理解できないという、日本での専門書は稀薄な状態のようです。
これについては、断熱・気密・換気の関係を理解されてからですとより理解がすすみますが・・・

ただ、この点は誰でも理解できると思うのです。
極端な例ですが、窓を開ければ空気が外部へ逃げますよね、同時に室内が冷房をかけてあれば冷気も逃げるのは当然です。

冷房をかける季節に窓を開放する人はいないでしょうが、部屋を密閉したとしても、壁や屋根、窓そのものの断熱性能をどれだけ上げても、漏れてゆく空気が運ぶ熱ロスが格段に大きく、これをコントロールできなければ省エネルギーは出来にくいのです。

この点の解りやすい例としては、鉄筋コンクリートのマンションにお住まいの方は、最上階でない限り結構エアコンの効きがよくありませんか。
断熱が良いのではなく、部屋を囲んでいるのが密度の高いコンクリートですから気密が良くて効きがいいと言えるようです。

小生としても、このあたりの勉強を進めてもっと解りやすい説明を書き加えてゆきたいと考えています。

2005年08月14日

仕口(しくち)

仕口(しくち)という言葉の響きには建築用語の伝統性を感じてしまうのは小生だけでしょうか?
仕事のやり口とでも言いたげな職人世界の臭いがします。

木造の水平材、垂直材、斜材を組み合わせるときの接合部のことですが、このブログを続けて読んでくださっている方には、以前「一体化」の話題でも触れたことに関連して、その接合部にかかった力を的確に伝える重要な役割のある部位です。



この部分をよく見て頂くと、どの程度の力を伝える必要のある部分かによって形がいろいろありますし、引っ張り方向か、圧縮方向か、せん断方向か、どの方向に力を伝えるかも考えられた形にもなっています。

また組み合わせるときの作業性や、組上がったときの接触面の時間軸での変化までも予想された形でもあります。

この世界に入って最初に見たときは、おかしな話ですが、本当に感動してしまいました。

いくら機械化されていっても、こんな場所に伝統が息づいているのを知っておいて頂くのも、家創りの醍醐味です。

2005年08月09日

風や音を生かす

あなたは枕をどちらに向けて眠ってますか?
小生の場合は2階の南面のベランダのある部屋で南枕で眠るのが最高です。
特に夏などはベランダからの南風が涼しくて、カエル(?)や虫の音も心地よく聞こえてきて脳内のアルファー波が出っぱなしで、疲れがとれます。

住まいの立地条件によっては、南面に奥行き広めのベランダを作り、床から高さ2m程度のサッシを幅広にしておき、そのサッシとなるべく直面する北面からの風の通路を作ってやると、この楽しみの環境が実現します。

夜風の心地よさもさることながら、虫の音や可愛いカエルちゃんの鳴き声は涼しさをちゃんと増幅してくれるから、そんな組み合わせを創ってくれた神様に感謝したくなります。

北枕が健康にいいなんて話も聞きますが、南枕がおすすめです。
敷地の環境条件を考えて、そんなポイントを押さえたデザインを実行するのも、幅広く考えをまとめる設計者の役目です。

また建築主さんもそんな余裕をもっていえ創りに臨んでほしいものです。

2005年08月08日

情報の箱

雑誌などで現代人は繋がっていないと不安を感じてしまう・・・・なんて文言をよく眼にしませんか?
携帯電話の普及がかなり進んできたことで、確かに建築主さんや現場との連絡もリアルタイムで行えるようにはなってきましたが、上手に使い分ける知恵を持たないといけなません。
心情と同時に用件を乗せたいときは電話、説明内容を整理したいときはメールと添付写真データ、大切な確認事項はといえば、やっぱりお会いして・・・・

「とりあえず」ということばを使いたがる人を見かけることがあります。
あまり頻繁にでてくると耳について不愉快な思いもします、小生などは理屈っぽいので「とりぜずはいいけれど、いつが本論なの、決定はいつ?」と言いたくなってしまいますし、現に「ところでその結論は?」訊ね直しています。

あまりに短時間に何度も通信できることが生み出した言葉が「とりあえず」かな?
繋がっていないと不安だからかな?

住まいの中には情報ボックスを作って、ネット関係や有料放送などのケーブル管理が容易に出来るようにしていますが、もしこれを作らなかったら狂乱状態で怒られそうな気がします。

現代は人と人が携帯で繋がっているようで、実は繋がっていないから、多くの人に囲まれて暮らしているようでも、不安に囲まれてしまうようにも思います。

ある建築家が「住まいに繋がる電線を全て無くしたら、人は不安から解放されるのだろう」と言ってみえました。たしか石山修武先生だったかな?

小生が作る情報ボックスが不安を解放できるような機能が付加できると面白いですね。

2005年08月04日

一体化すること

設計上でも工事でも、2つのものを一体化するという技を考えつつ作業を進める必要があります。

解りやすい例では、基礎などコンクリート躯体(骨組み)における打ち継ぐ技術です。
構造計算では柱と梁(柱と柱を横に繋ぐ部材)とは完全に一体化している、地震のときなどは力が滑らかに柱から梁に伝わると仮定していますが、現場での造る作業ではその仮定通りに理想に近い状態で打ち継がれることはありません。

ご存じない方にはショックかもしれませんが事実です。

構造の計算をする際にはそんな現場でのリスクを前提に安全率を見込んでありますが、それでも現場の作業条件次第でその安全率も吹き飛ぶようなことも起きます。

「設計でそれを充分フォローできる工夫をすればいいではないか」と思われる方が多いでしょうね。
ところが、それは出来るときとそうでないときがあります。
なぜならば、設計者は現場で出来上がってくるものと、建築主(クライアントと呼ばれることもあります)との考え方を一体化する作業があるからです。
建築主の意向に沿ったデザインを提案する義務があるからです。

建築主が店舗経営者ならば、お客様に顔を向けて計画を立案しなければなりません。
ここにも一体化する作業があります。

例はコンクリート躯体の一体化ですが、人間の意向や目的の一体化まで絡んでゆくのが建築という世界です。

土木の災害防止とはカラーが違っていますよね。

お話ししたかったのは、もっと大きな意味でしたが、時間がないので今日はこのあたりでおしまいひろし。

2005年08月02日

エアバリヤーって何?

エアバリヤーという言葉は聞くことが少なくても、高気密という言葉は聞かれることが多くなったのでは無いでしょうか?
新聞紙上でも、Q値、C値なんてのもよく報じられていますが、建築主さんによっては謎かけのように訊ねてこられる方もいらっしゃいます。
これらの値は住宅の熱性能を数値で解りやすくしたものですが、解りやすそうで実感しずらいものでもあります。

昔から風通しの良い家がいいなどと言われますが、この風は自然の力で勝手に入ってくる風のことなのです。
風は空気の動きですから、囲まれた住まいという空間に居る人間には体感的に涼しい思いをさせてくれます。

ところが一歩踏み込んで考えてみると、空気は同時に水蒸気や熱を運んでゆき、これがエネルギーロスに繋がってゆくことになるということです、すなわち、逆にそこの部分を神経質に検討しコントロールできれば、省エネ効果が高いということです。
このコントロールをするのにエアバリヤー(気密)という性能が必要になります。
外断熱とか軸間断熱とかいって工法を競い、住宅全体を断熱材で包み込むことに努力するよりも、その中を行き来する空気そのもの動きを見つめた方が効果的なようです。

読んで頂いている人によっては、すべて当たり前のことばかり書いているようで何を寝ぼけているの?と言われそうですが、こんな簡単な話に日本の住まいは何年も無関心というか、不器用で大雑把でいたようにも思います。

室内の空気を管理コントロールするということは、エアバリヤーが前提となります。
小生はこれに現在注目しています。

このあたりが解ってくると、たとえば微量の換気能力の換気扇を幾つも付けてあることに嫌悪感をいだく建築関係者もいらっしゃいますが、その建築業者さんにこそ嫌悪感をいだいてしまいます。

これに限らず、ちょっとでもマニアックに関心を強くもっていたほうが建築主さん自信も最終的に得をするのも事実です。

2005年07月30日

暑い、寒い、蒸し暑い、それしか知らないの?その2

人間という生き物は「生き方」を考える動物です。それに乗っかって「住まい方」を同時に考える必要があるように思います。

別に哲学的な内容を書くつもりは無いのですが、どんなにすばらしい技術を駆使して住まいを造っても、そこに住む人間によっては室内環境は変わってしまうということです。

「設計屋さんから冬は暖かい家だと聞いていたが、どうも使いにくい部分が多い」「収納を多く造ってもらったのだが押し入ればかりでどこに何を入れていいかわからない」「デザインは開放的ですばらしいのだけれど、夏の時期は居間が暑くて寛げない」などの話題はどこにも転がっていそうですね。

これらは設計者が設計段階でのヒヤリングがまずく、その人、その家族の住まい方レベルまで掘り下げていなかったせいでしょう。

「専門家の方なんだからお任せします」という言葉は耳ざわりが良いのですが、「住まい方」の生き方レベルまで踏み込んだ話をお聞きしたりすると、専門家と言われても理解できない、その人、その家族なりの感覚が潜んでいるもので、逆に「専門家だからお聞きしたいのです」ということだと思います。

暑いとか寒いなどの感覚も室内温度というだけでなく、湿度を加味した相対的な体感温度という人に直接感じる皮膚の位置での温度がどうかを考えて設計したり、建築主さんがそのことを設計の優先順位としてどのように考えていらっしゃるか。
また、住まい方として習慣として積極的に住環境を季節に応じて使いこなしていかれるか、などの「生き方」の一部分までも振れてゆけると良い設計になってゆくのでしょう。
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