2005年12月23日

建築請負契約の中身を考える・その3

請負契約書には一番大切な契約書の他に契約約款と見積明細書、設計図書が添付されます。ここのところが意外と知られていません。
契約書には、契約の当事者(施主と建設会社)が誰と誰であるか、金額と支払時期、工事の工期、お互いの署名捺印などが主な内容です。
どれも一番大切な項目で、これだけで済ます工事業者もいますがそういった場合は要注意と考えてください。
いくら信頼していても内容の明確でない、すなわち見積明細もないようでは言語道断、さらに添付されていたも一式という言葉ばかり並んでいるようでしたらこれまた注意。

ところがこれだけではダメであることが分かりますか?

そうです、肝心な設計図はどうなっているのでしょう?
見積の明細書で内容が書かれていても、それは何が建物に取り付けられるかという程度の意味であって、どういった性能の造形物が出来上がるかが全然不明です。

小生は何回も話し合いを繰り返して煮詰めて製作した設計図書を契約書に添付した上で、さらにそれに書かれている内容を見積より優先させるという形を取っています。
すなわち、設計図に描かれていて見積明細にない場合は図面によって工事をしてもらうということです。

当然といえば当然ですが。
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2005年12月22日

建築請負契約の中身を考える・その2

契約といっても、建築主と建設会社の契約と建築主と設計事務所との契約では大きな差があります。
建設会社とは「請負契約」、設計事務所とは「委任契約」を結びます。
「請負」には完全に実行するという責任の重さが最上級といえます、「委任」とは建築主の代理を務めるという責任に重点が置かれています。

請負契約については、残念ながら、この契約の意味合いを理解しているのかどうかは定かではありませんが、最近のある事件では、完全にこれを裏切った行為を建設会社がしているということです。
法的にはかなりの拘束力があり引渡までの工事の完全遂行のみならず、さらに住宅新法にも規定がありますように雨漏りや構造欠陥については、引渡日より10年間の保証義務もあります。

設計事務所との委任契約は、建築主の代理という形をとっていますので、中間の立場で専門家としての経験を土台に、重大な請負契約を遂行する建設会社の道筋が外れないように監修するわけです。

ここで強調しておきますが、かの「姉歯」さんは建築主と委任契約など結んではおりません、建設会社の下請けとして都合の良い計算書を偽造してしまったのです。
同じ職域の人間として恥ずかしいお話しですが、区別してください。
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2005年12月21日

建築請負契約の中身を考える・その1

本日は某建設会社と施主様との契約の日でした。
想像以上にあっさりと契約正本に署名とお互いの印鑑をつくという短時間の作業ですが、この日を迎えるためには、実は設計者は知られざるかなりの知力を使います。
ご存じない方が多いでしょうね、なにも建物の性能を確保したりデザインを工夫したりの研究者実務者であるだけでは、とても一人前の設計者とは言えないのです。

契約は建物にコストというエンジンを取付て命を与える作業です。
設計図が描けるのは当然で、どれだけすばらしい設計でも現実の建物の形を創り上げることが出来なければ、やはり絵かきさんのそしりを受けるだけです。
意外と知られていないようですが、その絵に命を与えるには、建設会社それぞれが違ったコストの感覚をも考慮に入れて、内容をチュンアップしてあげるのも小生の仕事です。

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2005年11月17日

冷蔵庫を買い換えよう・その3

前回では、1994年以前の冷蔵庫を買い換えると600kw時の節約になり、月に6000円電気代が下がったご家庭が実在したこと、さらに最近の製品ならば一年に6000円の電気代で動いてしまっているということなどを書いてみました。

今回は、高効率の家電を導入することにより現状より約40パーセントの家電エネルギー削減率を実現する具体的内容を建築省エネルギー機構が提案しています、それをご紹介しておきます。

現状:2000年製冷蔵庫(400リットル)、ブラウン管テレビ、通常の電気ポット、通常の洗濯機、だとすると、40パーセント消費電力削減の組合せは2003年製冷蔵庫(400リットル)、液晶テレビ、瞬間湯沸かし時間制御付き温水暖房便座、魔法瓶タイプの電気ポット、低待機電力タイプの製品、となります。

もし、これをお読みになった方で「これはうちのパターンだ」と気が付かれたら、是非実行してみてください。
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2005年11月15日

冷蔵庫を買い換えよう・その2

決してヤマダデンキから頼まれたわけでもないんです、考え直しましょう、この贅沢な家電生活を!

家庭における消費エネルギーの割合は、給湯(ガス)28パーセント、エアコン18パーセント、家電16パーセント、照明8パーセント、冷蔵庫8パーセント、換気扇8パーセント、水7パーセント、調理3パーセント、温水暖房便座3パーセント、給湯(電力)1パーセントの順です。

まず、湯を沸かすことと冷暖房の次が家電です、そして冷蔵庫、換気扇は別枠で注目を集めています。
湯を沸かすことや冷暖房は、ヒートポンプという空気中の熱量で電気エネルギーを補ってしまうという(約3倍)魔法の箱の出現で、テレビなどでよく耳にするエコキュートの登場で状況が大きく変わりつつあります。
また、小池百合子さんのクールビズやウオームビズも、その流れの中にあります。

家電関係は、先に挙げた冷蔵庫が電力消費の割合がで34パーセントで横綱級ですが、大関が29型テレビ30パーセント、小結が温水暖房便座11パーセント、以下温水暖房便座、MDコンポ6パーセントですよ。

冷蔵庫は、1994年以前の製品ならば、買い換えると一時間に約600KW時の節約ができます。
これが前回ご紹介した一ヶ月に6000円電気代が減ったという話しの根拠です。
ちなみに現在売り出されているテレビならば年間で6000円の電気代で済みますよ。

ブラウン管テレビの2000年以前のものは650KW時で現行機種の液晶テレビにすれば250KW時の節約です。

MDコンポなどの弱電機器がなぜ?と思われるでしょうが、彼らは待機電力を消費します。1990年代の製品の中には年間800KW時以上の待機電力を使う製品もあるようです。

地球温暖化なんかより、家庭の電気代を減らしたいと思いませんか? (続編にご期待を)
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2005年11月14日

冷蔵庫を買い換えよう

先日、揖斐の田舎から名古屋の栄、オアシス21の近所まで出て行って、建築環境省エネルギー機構(IBEC)の『自立循環型住宅設計講習会』を聞いてきました。
以前も紹介しましたが、今日はその中から難しい話しはのけて、極めて分かりやすい話を一つ紹介しておきます。

1980年代の冷蔵庫のお話しです。
ちょっとはテレビなどで誰もが小耳の挟んだことがあるとは思いますが、意外と掛かる冷蔵庫の電気代です。
現行で販売されている冷蔵庫は1980年代のに比べると、電気代は10分の1になっているそうです。

これは、独立行政法人建築研究所の研究員の方が省エネ調査をされた結果の大まじめな話しです。

月に6000円も掛かっていた家庭が存在していたそうです。
お節介にその研究員の方がその調査協力をしていただいたお宅の奥様にお知らせしたら冷蔵庫を買い換えられたそうです。
そしたら月の電気代が、まさに月6000円も減少し、2年もすれば元が引けると言われたそうです。

研究員さんはその奥様にすごく感謝されて、めでたしめでたし!

日本昔話のような分かりやすい善意溢れる良いお話しでしょ。

ところがこれには続きがあります。

その研究員さんがご自分のご実家に帰られて冷蔵庫を調べてみたら、なんと1980年代製だったそうです。
さっそくお母様に買い換えるようにアドバイスしたら、「なにを贅沢言っているの」とお説教をいただいて聞き届けてもらえなかったそうです。

せっかくの研究結果は小生たち専門家には興味ある事実でも母にはかなわないかったのです。

おまけにお教えします。
DVDプレーヤーとトイレのウオシュレットが冷蔵庫に続く電気大食い家電だそうです。
必ず消費電力を確認して買いましょう、生活の知恵です。
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2005年11月04日

設計監理者を入れることは贅沢ではない

世間一般の印象として、設計者を代理人として立てることは、設計監理の費用を余分に使いことになる、またデザイン性などの設計者の自己満足な考え方が入る、したがって結果として贅沢な建物を建てることになってしまうという・・・と誤解されている方が意外と多いようです。

特に設計者の利害の対岸におられる関係者が主張してやまないようです。
そういった方々はたぶん学生時代にその種の講座の単位を落とされている方か、もしくは他の学部に席を置かれていた方々なのでしょう。

小生のような近視眼の方が眼鏡を無くすと不自由なように、建築を深く勉強したことがなければ、そのきめ細かな部分が見えてくるわけもなく、したがって工事契約の中身が最初から委細に作られていなければ、たとえ契約書が存在しているからと安心していても、コップに穴が空いた状態で水をすくっているようなものです。
最初から小さな穴から水が漏れておれば浸みだしているのも気が付かないことになるからです。

設計者が自身の自己満足のためとはいえ、そのきめ細かな図面と積算書を片手に現場に通っておれば、自ずとそれは施主自身がご自分の建物の善し悪しを測る物差しを手にしているのと同じなのです。
裏返すと物差しのない現場には贅沢をしているか否かもわかり得ないと言うことになります。
またお金がどれだけかかったから贅沢だという発想は、ちょっと被害妄想的で闇雲すぎるようにも思えてきます。

建築の積算では1m2についていくらとか、単位あたりの金額を単価と呼びますが、それと同様に、出来上がった建物の単位あたりの費用対効果としてどうかと評価すべきものとも言えます。

自身がどんな建物をどのように造ろうとしているかを知る物差しを持って建築に臨むことは、財産を確実に理解できうる状態で手にすることになり、インフラ成熟時代にマッチしたやり方なのです。

そして全然贅沢なんかではありませんし、小生から見ると単なる世間知らずにさえ写ることもあります。

余談ですが、逆にお金を生ませることだって出来ることがあります。

こちらもご参照下さい)
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2005年10月15日

お湯と生活

先日、建築環境・省エネルギー機構 IBEC の講習に参加してきました。
基本テーマはオール電化住宅の設計指針についてです、これは今までオール電化住宅の設備に関する設計方法を整理し指針としたものができたということです。

これだけオール電化が世の中で騒がれているのに設計の指針が無かったこと自体が不思議な感じをもしますが、小生も有ってもしかるべきと感じていた矢先の講習のご案内に飛びついてしまいました。

本論はここからなのですが、お湯の存在を振り返ったことはお有りでしょうか?
毎日、お湯を空気のように有っても当然のごとく贅沢に使ってしまってはいませんか?
生まれた瞬間から産湯のお世話になるのですから、お湯のない生活など考えられないのですが、逆にだからこそ使い方を振り返ってみると美味しいことがあります。
そんな一つを紹介してみます。

設計の立場では建物の省エネとなる構造を断熱や気密、換気、通風、日射遮蔽などから追求し実現を図ってきていますが、いざ生活という観点から眺めてみると、いくら性能のいいハードを作ってみても、上手に住んでもらわなかったらなにもなりません。

つまり、使うお湯の量や沸かすタイミングを毎日の家族生活になじませることで、平たく言うとお金を生むということです。

家族でお風呂やシャワー、炊事の時間を話合いで決めて、その家族なりの給湯パターンを給湯器のマイコンに覚え込ませるという作業をやってみてください。
設備の種類によっては覚えないものもありますが、最近の給湯設備にはそんなお利口なのもありますし、それにもまして家族内の約束事を決めることは教育上も大切なことです。

そしてさらにポイントは、お湯を沸かすエネルギー消費は使う手軽さとは裏はらにかなり大きいのです。お湯を沸かすのに月にエネルギー代1万円から2万円は使っていませんか?
昔は半日掛けてお風呂の用意をしていたのだから、それを思い出せば当然です。
そして「たしかにそうだったよな」と同時に現代の科学技術の進歩をもっと見直してみてください。
1kwの電気代で3kwのエネルギーを出してしまう給湯器も存在してしまう世の中なんです、ご存じでしたか。

1000円で3000円分のお湯を沸かすと言った方が分かりやすいでしょうか?

建物自体の性能、生活のパターンの家族内での条約締結、先進の給湯設備が揃えて実現したのがこの住宅でした。

このご家庭では、月の電気代が大きく減少しました。

すみません、もうひとつ、デザインもいいでしょ。

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2005年09月02日

いったいどのくらいが妥当な予算設定か?

うちの場合はどのくらいが妥当な金額なんでしょう?と訊ねられることがあります。
建物を計画される場合、コストを最優先にしたいケースとそうでないケースが存在します。中にはコストを最優先にしないでどうするの?とお思いになる方がいらっしゃるかも知れませんが、ビジネス関係を主目的にする場合を除いて、実際はコストが優先順位として2番目というケースが多いのではないかと思います。

だからこそ、よけいに現時点の景気動向において妥当な金額というのは当然のごとく気になるわけです。
ところが残念ながら、これが間違いないという設定法は存在しないのです。
冗談ではなく、建築コストの専門家もそれを「何年研究しても判明しない」と言い切ってはばかりません。

結局のところ、小生の場合は過去の多くのケースから割り出されてくるデータから検討を加えて、基本設計段階での予算表示に使用しているという方法をとっています。

逆に、コスト専門家や国の研究財団法人に「確かな数字を出す方法はないよ」というお墨付きをもらって、自分なりの方法に確信を持ったということです。

参考までに(財)建設物価調査会という機関を紹介しておきます。
こちらには「JCBI」という全国版の建物別マクロな価格情報を無料で提供してくれるページもあり、リアルタイムな統計値を得ることもできます。

納得できる数字を探してみてはどうでしょうか。
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2005年08月26日

逆住宅ローン

住宅ローンを聞いたことがありますか?
リバースモーゲージ(逆住宅ローン)を扱う金融機関がでてきているようです。

リバースモーゲージ(逆住宅ローン)とは自宅を担保に老後の生活資金を貸り、契約者が死亡した時、担保の土地、建物で返済する仕組みです。
(土地の価格が下げ止まって来た為、脚光を浴び始めました。)

将来年金だけでは・・・ 
と思っている方には朗報ではないかと思います。
手に入れた住まいが、死亡時まで有効に使えます。

老後は年金と借り入れ金で生活し、死亡時担保の土地、建物で返済し、残った資金を子供に残す。
相続税もかなりの金額取られるようですし、この様な使い道は面白いですね。

設計者の手がけた住まいは、工事の履歴を残してその住まいの性能がどのような内容でどのようなランクかがはっきり解ることになり、ハードとしての価値が明確に表示できるため、逆住宅ローンには有利ではないかと思います。

改革機運にのって今後も、将来の不安が少しでもなくなるようなプランが出てくるのではないでしょうか。

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